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論文試験では根拠条文の番号を記載しなくてはいけないのか?

こんにちは弁理士のきさらぎです。

 

弁理士試験は大きく分けて次の流れで構成されています。

①短答試験

②論文試験

口述試験

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短答試験マークシートで1~5を選択する試験です。

ですので理由がわからなくても解答さえ合っていれば合格することができます。

極端なことを言ってしまうと何にも勉強をしなくても60問のうち20%の12点は取れる可能性が高い試験です。

合格点数は近年39点ですので12点から39点の差を勉強して埋めていくことになります。

 

論文試験は答案用紙に文章を書いて、その答案を採点官が採点して合否が決まります。

短答試験との違いは、相対評価であること、自分の文章で解答をつくることなどたくさんありますが一番大きな違いは

・解答(結論)に対する理由が必要なこと

 

だと思います。

 

それでは理由ってどのようなものをいうのか?

例えば、事例問題で「甲の出願Aは新規性を有さない」という解答は短答の解答としては完結していますが、論文の解答としては不十分です。

 

「乙の出願Bに係る発明イが甲の出願Aの出願日前に公開されている。

よって甲の出願Aは新規性を有さない(29条1項3号)。」

のように事案に当てはめて理由を説明しなくてはなりません。

 

ここで本日のテーマ

論文試験では根拠条文の番号を記載しなくてはいけないのか?  についてです。

結論からいうと記載しなくてはいけません

上の例では、

乙の出願Bに係る発明イが甲の出願Aの出願日前に公開されている

→(だから)甲の出願Aは新規性を有さないといっています。

 

それではなぜ

乙の出願Bに係る発明イが甲の出願Aの出願日前に公開されていると甲の出願Aは新規性を有さないのでしょうか?

 

これは特許法29条1項3号に次のような規定があるからです。

29条1項3号 

特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明(は特許を受けることができない)

 

この条文が日本にあるからこそ、甲の出願Aは新規性を有さない(特許を受けることができない)のです。

 

弁理士試験を受験している人であれば、出願前に文献公知となった発明には新規性がなく、特許を得られないことは当たり前のことです。

だからといって、根拠条文の番号を記載しなかったら論理的に未完成な回答になってしまいます。

ですので根拠条文は記載しなくてはならないのです。

 

よく論文試験では良く書けたつもりでいた科目が足切りの点数になっている場合があります。私も経験しましたがとても納得いかない気持ちになります。

受験仲間でも毎年このような話を聞くことがあります。

 

論文試験では自分の答案が返却されることはありませんので何がわるかったのかは、結局わかりません。

 

条文番号を書かないことが、致命的な減点になるかどうかはわかりませんが、なにがいけなかったのかわからないまま一年勉強するのはとっても辛いことです。

上記理由の通り、説明として必要と割り切って書いておくことをお勧めします。